リーグ・オブ・レジェンド(League of Legends)に登場する、「ジェイス」のストーリーや種族、他のキャラとの関係などをまとめました。
・ジェイスのスキルや相性、使い方はこちら

ジェイス-Jayce

未来への希望
| 本名 | ジェイス・タリス |
| 種族 | 人間 |
| 性別 | 男性 |
| 生まれ | |
| 現在の地域 | |
| 恋人 | ❌️ |
ピルトーヴァーのキャラクター
生粋のピルトーヴァーっ子

ジェイスは、
ピルトーヴァーで進歩の象徴と持ち上げられながらも、自分の発明が
ゾウンとの分断を深めてしまった現実に向き合い、「それでも未来を守る」と決めた発明家・戦士です。
ピルトーヴァーの“優等生”として育つ
ジェイスは生粋のピルトーヴァーっ子として、発明・発見こそが都市の誇りだと教え込まれて育ちます。機械の才を見込まれ、名門の支配氏族クランから庇護を受ける「史上最年少の見習い」になりました。
プログレス・デイで❌️
ビクターと出会い、共同研究へ
彼の知性に並び、しかもジェイスの上から目線を気にしない相手が現れます――❌️
ビクターです。二人は祝祭の場で意気投合して共同研究を始め、港湾労働者向けの強化作業スーツなど、実用的な発明を作っていきます。
「人を良くする」か「人を作り替える」か──価値観の亀裂
やがて二人は次の改良で衝突します。❌️
ビクターは、疲労や恐怖、逆らう心すら抑え込めるような改造を盛り込みますが、ジェイスは自由意志を踏みにじるとして拒否。結果、ジェイスが学院に警告したことで❌️
ビクターは名誉を剥奪され、学界から追われる形になります。
シュリーマの青い結晶と、ジェイスの執念
クランが
シュリーマ砂漠で見つけた青い結晶を、当初は価値なしと判断した学者たちが放棄。ジェイスに回ってきたそれは、彼には歌っているように感じられ、何カ月も執拗に実験を繰り返すほどの執念を引き出します。

❌️
ビクターの来訪と“強奪”──決裂の確定
追放後のヴィクターが結晶の反応を察知して現れ、理想(グロリアス・エヴォリューション)への協力を求めます。ジェイスが拒むと、ヴィクターは強引に結晶を奪って去り、ジェイスは残った欠片(シャード)を“電池”にして、かつて設計だけして放置していた変形ハンマーを完成させます。
ひとりで
ゾウンへ──決死の突入と結晶破壊
ピルトーヴァー政府が報復を渋る中、ジェイスは単独で
ゾウンへ。❌️
ビクターと対峙して説得も試みますが、ロボットの軍勢に押し潰されかけ、最後は「考えるのをやめて壊す」決断で動力源の結晶を粉砕し、崩落寸前の施設から脱出します。❌️
ビクターの身体は見つからず行方不明に。
帰還、そして未来の守護者へ
帰還したジェイスは事態を報告し、
ピルトーヴァーでも
ゾウンでも話題の人物に。危機を止めた英雄として称えられ、明日を守る者の名で呼ばれるようになります。ジェイス自身は喝采に酔いきらず、❌️
ビクターがまだどこかで復讐を狙っていると考え続けます。
現在のジェイス
現在は、❌️
ビクターとともにヘクステックの大発見を成し遂げた進歩の男として称賛されつつ、同時にその発明が
ピルトーヴァーと
ゾウンの分断を加速させた現実にも気づき、変形ハンマーを手に「明日」を守ろうとしている――という立ち位置です。
物語の雰囲気が分かる短編:『応急処置』
短編では、ジェイスが❌️
ビクターの反撃を想定して工房で構えつつ、英雄として期待される姿と、実際は結構イヤなやつ(でも完全に冷血ではない)という人間くささが描かれます。
他のキャラクターとの関係
ビクター

上記にある通り、2人は将来有望な研究者でしたが、価値観に大きな違いがありました。ビクターは人を悲しさから解放するほか、人が裏切れない拘束を施すことを目指し、ジェイスは自由意志を尊重しました。
ハイマーディンガー

ジェイスはハイマーディンガーを高く評価し、師匠と考えていました。ハイマーディンガーは時に魔法があまりにも危険な事業になるのではと恐れていたが、ジェイスは安全が証明されればヘクステックが価値ある有益な試みになり得ることをいつか証明できると信じていました。
慎重なハイマーディンガーに対し、ジェイスは時代を変えるためにプロジェクトを優先し、それを止めるハイマーディンガーを議員から追放させました。
そんなことが会ったにも関わらず、二人の発明家は良好な関係を保っており、ジェイスは師匠を裏切ったことに罪悪感を感じ、ハイマーディンガーはかつての弟子たちを必要な時に見捨てたことを後悔しているようでした。直近では、
エコーの研究室でジェイスとハイマーディンガー達三人は話し合い、異常現象の調査のために再び離れ離れになりました。この出来事以降再会はしていませんが、仲は良好です。
ケイトリン

一族に後援された若い弟子として、ジェイスは一族の後継者ケイトリンとよく交流していました。幼少期には親しい友人となり、ジェイスは彼女を妹のように思い、冒険や大きな野望の話を語っていました。
長い間会うことは許されていませんでしたが、現在になっても友好的な関係であり、仕事上よく肩を並べることがあります。
メル

メルはジェイスのヘクステック研究の初期から支持者であり、最初はピルトーヴァーからの追放を阻止するために投票し、その後はならず者の発明家の実験完了を助けましたやがてメルはジェイスの信頼できる相談相手となり、二人は個人的にも職業的にも多くの問題を共有し、それが恋愛関係へと発展しました。ジェイスはメルを高く評価しており、メルがそばにいれば何も不可能ではないと感じていたため、ストレスの時にはよく彼女に慰めを求めていました。❌️
ジンクスの攻撃からメルは本能的にジェイスを守り、魔法使いの潜在的な能力でロケットの爆発からジェイスを守ることもありました。
アンベッサ

アンベッサは軍事史を説明し、ピルトーヴァー評議会が事態を制御不能に陥れたと非難した。ジェイスはアンベッサを拒絶し、ピルトーヴァーはノクサス流で問題を解決する必要はないと信じていまました。それでもアンベッサの言葉はジェイスの心に残っていました。後に戦争の代償を悟ったジェイスは、最終的にアンベッサの助言を拒否し、ゾウンとの和平を求めますが、❌️
ジンクスの攻撃によって最終的に彼の制御を超えて悪化しました。その後、ジェイスは政治から身を引き、アンベッサは彼の不在中に戒厳令を敷いた。
ジェイスが別の未来から戻ったとき、彼はアンベッサを敵と見なし、彼女の同盟に対抗するヘックスゲートの防衛計画を手伝いました。
ヴァイ

ジェイスはヴァイの措置について、ケイトリンと同じく彼女を利用することに賛同していました。ヴァイの武器はジェイスのお手製です。
ジェイスとヴァイは並んで戦い、強化された敵の手下たちを倒すなどしていましたが、事故で近くにいた子供が巻き込まれて死亡しジェイスは絶望。ヴァイは日常茶飯事のため慣れていましたが、別れることになりました。
その後はまた武器の修理などを通して仲が回復し、再び肩を並べて戦うことも多くなりました。
ジンクス

ジェイスはジンクスがピルトーヴァーにとって脅威であることを知っていましたが、正式に顔を合わせることはありませんでした。ジンクスは子供の頃にジェイスの工房を破壊し、数年後にはアカデミー・スクエアを爆破し、ヘクステック宝石とノートを奪い、執行官たちを殺したり評議会の議場を爆破して3人の評議員を殺したりと無茶苦茶しています。ジェイスはジンクスが罪の責任を問われるために逮捕されるべきだと考えています。後にジェイスとジンクスはヘックスゲートで出会いましたが、それぞれ❌️
ビクターとの戦いに気を取られていたため気づいていませんでした。
エコー

二人とも発明家であり、度々衝突することもあるためライバル関係に近いものの、街全体を救うために協力して❌️
ビクターを倒しました。ジェイスとエコーはしばしば脅威に対して同盟関係にありますが、ピルトーヴァーとゾウンに関する問題で意見が対立するライバルです。
ジェイス-キャラクター
ジェイス・タリスは天才的な発明家であり、友人のビクターと共にヘクステックの秘密を初めて大きく解き明かした人物でもある。ピルトーヴァー全域で称賛された彼は、「進歩の男」という呼び名に相応しい存在たるべく努めてはいるものの、その期待からくる重圧に苦しむことも多い。そんな中、自身の発明がピルトーヴァーとゾウンの分断を助長していることに気づき始めた彼は、未来を守るべくヘクステックハンマーを手に戦うことを決意した。
ストーリー
ジェイスはピルトーヴァーを、そしてそのたゆまぬ進歩の追求を守り抜くことに人生を捧げると誓った、天才発明家である。ジェイスは変形可能なヘクステックのハンマーを手に、その腕力と勇気、そして類まれなる知性によって、愛する故郷である街を守るのだ。ヒーローとして街中の尊敬を集める彼であるが、実は注目されることを迷惑に思っている。とはいえ、ジェイスは真っ当な心の持ち主であり、彼の天性の才能を妬む者たちですら、「進歩の都市」を守る彼の存在には感謝している。
ピルトーヴァーで生まれたジェイスは、この都市を偉大なものとする三原則、すなわち「発明」「発見」「必要な場合を除いてゾウンに行かない」を信念に育った。機械に関する知識と天性の感覚を持っていたジェイスは、ピルトーヴァーで最も尊敬されている名家の一つであるジョパーラ一族から、史上最年少でパトロンの申し出を受けるという栄誉を受けた。ジェイスは当然のことのようにその申し出を受けると、その駆け出しの数年のほとんどを、有望なヘクステック装置の製造と、ピルトーヴァーの労働者階級向けの可変式多機能工具の設計に費やした。彼の設計した可変式工具には、バールに変形するレンチ、シャベルに変身するつるはし、そして十分に強力なバッテリーさえあれば破壊ビーム砲になるハンマーなどがある。ジェイスが関わったあらゆるものが、同時代の同業者たちを恥じ入らせるほどの傑作となった。
ジェイスはほとんどあらゆるものを簡単に理解できたが、同僚たちがなぜ(彼にとっては)単純極まりないコンセプトに四苦八苦するのかは理解できなかった。そのため、ジェイスと一緒に働く者たちの多くが彼を、傲慢で上から目線で、チームワークを無視して一人で突っ走るヤツ、とみなした。時が経つにつれ彼は次第に短気になり、それと同時に礼節と魅力も欠けていき、彼本来の物腰とのギャップは大きくなっていった。
ジェイスに匹敵する知性を持ち、なおかつ彼の傲慢な態度を平然と受け流せる者は、たった一人しかいなかった。
彼の名はビクター。
出席が義務付けられていた「進歩の日」のパーティで二人は出会い、その席を全く楽しんでいない者同士、たちまち意気投合した。程なくして、二人は共同で働き始めた。ビクターはジェイスの知性の地平を押し広げ、彼の仮定の多くに反論を行った。ジェイスが万能の技術によって人類を啓蒙する道を探している一方で、ビクターは人間そのものが持つ問題――例えば肉体の衰えや非論理的な偏見――を解決する道を探していた。二人はことあるごとに議論を戦わせたが、その対立が個人的な恨みに発展することは決してなかった――手法は異なっていても、二人は互いの究極の目的が全く同じものであるとわかっていたからである。さらに加えて、仲間から排斥されるのがどんなものなのかを、二人ともよく知っていた。ビクターはその型破りな考え方のせいで、そしてジェイスはその礼儀の無さのせいで。
ジェイスとビクターは協力して、ピルトーヴァーの港湾労働者のために、機械化された建設作業用スーツを発明した――着用者の筋力を増幅する一方、海に落ちてもすぐには溺死しない程度に軽い優れものである。しかし、ビクターが設計した新バージョンを巡って、二人は決定的な対立に陥った。その新バージョンにはケミテック・インプラントが内蔵されており、その効果は着用者の筋力を10倍に高め、さらには疲労せず、パニックを起こさせず、監督者の指示を絶対に守らせるというものであった。ビクターはこの機能を、建設現場での事故を減らせる画期的なものだと考えたが、ジェイスはこれを、自由意志を損なわせる非倫理的なものだと考えたのだ。この設計を巡って二人は取っ組み合いの大喧嘩をする直前まで反目した。最終的にはジェイスがビクターの発明についてアカデミーに警告し、ビクターが全ての名誉を奪われ、ピルトーヴァーの科学コミュニティから排斥されるに至った。
ビクターはジェイスにとって「友」と呼ぶのに最も近しい存在であり、その彼との仲違いに打ちひしがれたジェイスは、また独りで発明に没頭した。彼はますます狭量になり、他人への寛容さもさらに少なくなった。
ジェイスが孤独に研究していたその頃、ジョパーラ一族の探検隊がシュリーマ砂漠の奥地で青いクリスタルの原石を発見した。ジェイスはその原石の調査を希望した(具体的には、自分以外の同僚の研究者は何か発見できるほど賢くないと仄めかした)が、ジョパーラ一族はその傲慢な態度を良しとせず、彼に対する一種の懲罰として、他の礼儀正しい学者達をその任務に当てた。そうして何か月もが過ぎ去った後、学者達は満場一致の結論を出した――クリスタルには何の価値もない。力を吸いつくされた岩の塊に過ぎない、と。失望した一族の指導者達は、とうとうクリスタルをジェイスに預けることにした。卓越した知力を持つ彼をしても、そこから何かを見出すことはあるまい、と考えて。
クリスタルの中から、何かがジェイスに呼びかけた。いや、それどころか――歌いかけた。ジェイス自身にも説明はできなかったが、このシュリーマの宝石にはまだ謎が隠されていることを悟った。
彼は何か月もかけて、クリスタルに対しあらゆる試験を行った。歯車式遠心分離機で圧をかけてみた。超高温や超低温にしてみた。試験し、観察し、仮説を立て、銅製の製図機を相手に無駄な努力を続けた。単純に言って、ジェイスは熱心に働くことに慣れていなかった。このクソッタレのクリスタルは、大いに聡明なる彼の精神でも理解することが適わない、初めての存在だった。問題を解決するためにひたすら努力を重ね、それでも自分の限界という壁にぶち当たるだけだった時に、自分の同僚達がどんな気分を味わったかを、生まれて初めて理解することができた。何たる不愉快。何たる不公平感。
ましてやそれを、自分の努力を鼻で笑う、傲慢な発明家と一緒に働いている時に味わわされたとしたら。
ジェイスは思い知った。どれだけ自分に見下されても、仲間の学者達は誰一人として、決して諦めることはなかった。誰一人として、ピルトーヴァーの要たる「進歩と発見」の追求を投げ出したりはしなかった。彼らが諦めないのなら、自分も諦めることはできない――ジェイスはそう決めた。
それと、多分、もう少し愛想よくしてもいいかもしれない。
多分。
ジェイスはこの問題に、全く違った角度からアプローチしてみた。このクリスタル全体に対してではなく、小さなかけらを使ってもっとアグレッシブな試験を行ってみては?ジェイスはクリスタルからほんの小さなかけらを削り取り、液状の合金の水槽に浮かべてみた。その液体金属に電流を流した途端、ジェイスの鼓膜は破裂しそうになった。かけらから重低音が大音量で発せられたのである。クリスタルからは熱が放射され、その閃光は失明しそうなほどだった。全くの予想外。大いに危険を孕んでいるが、これは間違いなく進歩だった。ジェイスは一晩中、夜が明けるまで作業を続けたが、その間、顔がにやけるのを止めることはできなかった。
その翌日、ジェイスは戸口に現れた旧友・ビクターを見て驚いた。クリスタルのかけらが発する膨大な力に警戒しながら、ビクターは単純な提案をした。
ピルトーヴァーの科学コミュニティから追放された後、ビクターはゾウンで極秘プロジェクトを開始していた。彼はついに、夢を実現する方法を――病を、飢えを、憎しみを消し去る方法を、見つけ出したのだ。ジェイスの協力があれば、二人はピルトーヴァーやゾウンの誰もが夢見た以上のことを実現できる。そう――人類を、人類自身から救うのだ。
ビクターのこうした演説をジェイスは以前にも聞いていたが、その目標を好きになれたことは一度もなかった。
ビクターはジェイスに、彼の光輝なる進化――「グロリアス・エヴォリューション」のために必要なのはあと一つ、ジェイスのクリスタルのような動力源だと伝えた。しかしジェイスはそれに応じず、ビクターに本当に必要なものは道徳的価値観だと言い返した。ジェイスの無礼さにほとほとうんざりしていたビクターは彼に飛び掛かり、クリスタルをひったくるとそれでジェイスを殴りつけ昏倒させた。数時間後にジェイスが目覚めた時、シュリーマのクリスタルは奪われたものの、ビクターが気づかなかったか、あるいは単に無視されたか、小さなかけらはその場に残されていた。
ビクターが何を計画しているとしても、それらが必要になるのは完成目前に限られるとジェイスにはわかっていた。ビクターの「グロリアス・エヴォリューション」が何で出来ているにせよ、おそらくは他人の自由意志を大いに尊重するものではないだろう。ジェイスはすぐさま残されていたかけらを回収すると、巨大な可変ハンマー――十分な出力のバッテリーがなかったため何年も前に放置していた、解体工事用の発明品――に組み込んだ。ビクターがクリスタルをどこに持ち去ったかは見当もつかなかったが、ジェイスはヘクステックのハンマーが振動し、彼を導いているのを感じた。北でも南でも、東でも西でもなく、下、つまりゾウンの地下都市へと。
クリスタル本体と再び一つになろうとして、かけらはついにジェイスを汚水地区の奥深くにある倉庫まで導いた。そのがらんとした建物の中で、ジェイスは恐るべきものを目撃した。頭蓋骨が切開され空っぽになった、数十体の死体。それらの脳は身動き一つしない金属製の兵士の軍団に移植されており、そして兵士たちは明滅するクリスタルと接続されていた。
これがビクターの「グロリアス・エヴォリューション」の第一歩だった。
ビクターに近づきながら、しかしジェイスの歩みには躊躇いがあった。これまでも二人の意見が一致することはあまりなかったが、今回は完全に状況が違う。この時初めて、ジェイスは旧友を殺さなければならない可能性を考えた。
直立するロボット軍団にしり込みしつつ、彼は大声でビクターに呼びかけた。ジェイスはビクターに周りを見てみるように言った――なにをしているのか分かっているのか、と。これが――エボリューションとやらが――何かは知らないが、若い頃二人で競い合った進歩では断じてない。さらには、ビクターさえ驚いたことに、ジェイスは自分の傲慢な振る舞いを謝りさえした。
ビクターはため息をついた。その返答は一言だけだった。「奴を殺せ」
自動人形達は自身とクリスタルをつなぐワイヤーを断ち切ってジェイスに殺到し、ジェイスに新たな感情、即ち「パニック」を目覚めさせた。ハンマーを握りしめながらジェイスはその時気づいた、まだ一度もこれをテストしていなかった、と。攻撃範囲内に最初の敵が入ったその時、ジェイスは力任せにハンマーを振り回した。かけらの発するエネルギーが筋肉を駆け巡り、その力はハンマーが飛んでいってしまうのでは、というほどだった。
ハンマーに当たった兵士は無数の金属片へと砕け散った。だが仲間が破壊されたのを目の当たりにしても他の兵士達は一瞬たりとも足を止めることなく、文字通りの鉄拳を叩き込もうとジェイスに襲い掛かる。
ジェイスは襲い来る兵士達の攻撃パターンを分析し、最小数のスイングで最大数の敵を片づけるための計算を試みた。しかしそれは全くの無意味だった。ハンマーをもう一回振り回すより早く、敵はジェイスに手が届く範囲に来ていた。無数の拳の嵐に打ち倒されたジェイスは、勝利に昂ぶるのではなく、悲しげに自分を見つめるビクターを見た。彼はジェイスとの対決に勝った、人類に輝かしい未来をもたらすのはジェイスではなく彼なのだ、だがその代償として、彼は旧友を生かしておくことはできないのだ。ジェイスは振り回される金属製の四肢の渦に飲まれていった。
この時生まれて初めて、ジェイスは考えるのを止めると、ただひたすらに破壊の衝動に身をゆだねた。
もはや自分の安全すら気にすることなく、ジェイスはビクターの兵士達から逃れるため持てる力の全てを振り絞った。輝くクリスタルまで全力疾走し、ヘクステックで増幅されたハンマーの最高出力を叩きつけ、神秘の結晶を粉砕したのだ。
ビクターが恐怖の叫びを上げる中、クリスタルは粉々に砕け、発生した衝撃波はその場の全員を吹き飛ばし、機械兵士の軍団は力なくその場にくずおれた。倉庫の地盤そのものが揺れ動き、崩壊する建物の中からジェイスはかろうじて脱出した。
ビクターの死体は見つからなかった。
ピルトーヴァーに戻ったジェイスは、一族の長達にビクターの恐るべき計画について報告した。ほどなく、ジェイスは自身がゾウンとピルトーヴァーの両方で時の人となっていることを知る。未曽有の危機への適切かつ迅速な対処を讃えられ、ジェイスは一躍人気者となり(少なくとも、直接彼を知らない人々の間では)、「未来への希望」というニックネームで呼ばれるようになった。
同胞たるピルトーヴァーの人達からの崇拝などどうでもよかったが、ジェイスはそのニックネームを自分の心に刻んだ。ビクターはまだどこかに潜んでいて、復讐計画を立てているのだ。いつの日か――おそらく近いうちに――恐るべき災難の数々がピルトーヴァーに襲い来るだろう。
そしてジェイスはその全てに立ち向かうのだ。
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